めまい:VERTIGO
屋上で犯人を追跡中に同僚を転落死させてしまった事から高所恐怖症にかかり警察を辞めた元刑事ジョン・スコティ・ファーガソン(ジェームズ・スチュワート)の元に、学生時代に友人だったゲビン・エルスターから電話があり、エルスターの妻マデリン(キム・ノヴァク)の尾行を依頼される。
エルスターによれば、マデリンは自殺した曽祖母カルロッタの亡霊に取り憑かれているかのような不可解な行動をとると言う。
マデリンの尾行を開始したスコティだったが、ある日マデリンが突然海に飛び込んで投身自殺を図り、それをスコティが救った事から二人の仲は急速に接近していく。
自分が何をしたかを覚えていないマデリンと話すうちに、彼女がよく夢で見るという古い教会の事を聞き、彼女を何とか救いたいスコティはマデリンとその教会に出向く。
しかしマデリンはスコティに愛を打ち明けると、突然教会の高い塔にかけ上り、高所恐怖症でめまいを起したスコティが立ちつくすうちに、身を投げて死んでしまう。
呆然とするスコティに、マデリンの夫エルスターはヨーロッパへ行くと告げ、スコティはマデリンを死なせてしまった自責の念から、精神病院で療養する身となってしまう。
しばらく経ったある日、街をさまよい歩いていたスコティは、マデリンに瓜二つのジュディ・バートンという女性に出会う。
アルフレッド・ヒッチコック監督が得意とするスリラー映画を、ジェームズ・ステュアートとキム・ノヴァクの主演で撮った傑作サスペンスです。
ヒッチコックらしい不安を煽るようなカメラワークが当時は斬新的で、ブライアン・デ・パルマ監督の「ボディ・ダブル」は完全にこの作品の影響を受けていますよね。
管理人としては、ジェームズ・ステュアートとキム・ノヴァクだったら「媚薬」の方が断然好みですけど、映画の完成度や世間の評価はやっぱりこちらでしょうね。
キム・ノヴァクのファンとしては、媚薬のクールな表情のほうが彼女に似合っていると思いますけど、この映画での不安な表情が示す女心も悪くはないかな。
ヒッチコックの映画は「サイコ」が怖くてショッキングで一番すごいと思いますが、この映画も全体的な雰囲気がヒッチコックらしくて楽しめます。
精神にダメージを受けているスコティ役のジェームズ・ステュアートが、少し情けないような役を見事に演じています。彼は「裏窓」よりもこちらの方が人間的で良いですね。
製 作 | 1958年 アメリカ |
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監 督 | アルフレッド・ヒッチコック |
出演者 | ジェームズ・ステュアート キム・ノヴァク |
音 楽 | バーナード・ハーマン |