トスカーナの休日:UNDER THE TUSCAN SUN
サンフランシスコに住む作家フランシス(ダイアン・レイン)は、愛し合っていると思い込んでいた夫の浮気が発覚して夫婦生活が破局する。
しかし離婚裁判で彼女の方が収入があることから慰謝料を払うハメになった上に、住む家まで夫にとられてしまう。
失意の彼女を見かねた友人のパティ(サンドラ・オー)に薦められてイタリア・トスカーナに出かけたフランシスは、300年前に建てられたという古びた館を衝動買いして住む事にする。
不動産屋の助けを借りながら家の修復をするうちに、フランシスを余所者扱いしていた地元民とも親しくなり、徐々に精神的に落ち着きを取り戻していく。
そんなある日、買い物でローマに出かけた彼女は、親切でハンサムなイタリア男性マルチェロ(ラウル・ボヴァ)と出会い一夜をともにする。
離婚騒動で自分に自信を失い落ち込んでいたフランシスの気持ちが、美しいトスカーナの自然や傷んでいた家の修復、地元の人たちとの触れ合い、新しい恋などを通して癒されていく姿を描いた素敵な映画です。
ベストセラー小説を映画化したとのことですが、こういう作品はうまく映像化出来ると小説よりも分かりやすくて作品の中に入りやすいですね。
まるでイタリアの観光案内のように美しい画面や、伝統に基づいたイタリアでの生活の中で何かを変えたいと願うアメリカ女性の再生の物語。どこかキャサリン・ヘップバーン主演の名作「旅情」を連想させるような映画です。
時間の流れがアメリカとも日本とも違っているようなヨーロッパの、どっしりと地に足が着いた生活は、理想化されていますけど、異国情緒とそこに生きる人たちが見事にマッチしていて心が浮き立つような作品です。
女性はこういうのに憧れるんでしょうが、私も何だか羨ましい。
ダイアン・レインもずいぶんと歳をとったなぁと思いましたが、でも女優として味わいが出てきたように思います。
ロマンスという意味では取り立てて事件は起こりませんけど、情景がロマンチックな感じで、そういう景色にダイアン・レインがとても合っています。
また観たいと思う映画です。
製 作 | 2003年 アメリカ/イタリア |
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監 督 | オードリー・ウェルズ |
出演者 | ダイアン・レイン サンドラ・オー ラウル・ボヴァ |
音 楽 | クリストフ・ベック |