地上5センチの恋心:ODETTE TOULEMONDE
フランス人の未亡人一家と彼女が憧れる人気作家とのふれあいを描いたヒューマン・コメディです。
10年前に夫を亡くしたオデット(カトリーヌ・フロ)は昼はデパートの化粧品売り場で働き、夜は羽飾りの内職をしながら、女手一つで息子(ファブリス・ミュルジア)と娘(ニナ・ドレック)を育ててきた働き者で明るい気性の女性。
美容師の優しい息子はゲイで、気性の荒い娘には職がない。生活は決して楽ではない。
そんな生活をおくるオデットの唯一の楽しみは、かつて落ち込んだ時に自分を救ってくれた小説の作者バルタザール(アルベール・デュポンテル)の小説を読むことだった。
ある日彼女はあこがれのバルタザールのサイン会に出かけるが、あがってしまってまともに話しかける事すら出来ない。
そこで自分の気持ちをしたためた一通のファンレターを彼に送る。
一方でバルタザールは深刻なスランプに陥ってしまい、その上に妻との仲にも秋風が吹き始め、精神的に追い詰められていた。
そんな時に手にしたオデットからのファンレターを読んだ彼は、オデットを訪ねることにする。
DVDで映画を観ました。
大人のためのラブ・コメディというようなキャッチコピーがあったと思いますけど、この作品はそんなに単純な話ではなく、もっと人生を賛歌したとても素敵な映画でした。
年齢的には中年女性のオデットが、ふとしたことで気持ちが高揚して身体が舞い上がってしまう所がとても愛らしく描かれています。
夢見る乙女のような性格でありながら、結構現実的で強い女でもあって、貧しいながらも日常の生活の中に幸せを見つけるのがとても上手で、そういう彼女の周りの出来事は全て生き生きとしています。
管理人は思わず何度も声を出して笑ってしまいました。
精神的に疲れていたバルタザールが、そんなオデットの側にいることで生きる力を取り戻していく姿に、管理人も元気づけられた気がします。
こういう映画の雰囲気はハリウッド映画では味わえないヨーロッパの香りがして、とても小粋で良いですね。
製 作 | 2006年 フランス/ベルギー |
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監 督 | エリック・=エマニュエル・シュミット |
出演者 | カトリーヌ・フロ アルベール・デュポンテル |
音 楽 | ニコラ・ピオヴァーニ |