きみにしか聞こえない
若者に人気の高い乙一の原作小説を、成海璃子と小出恵介の主演で描いたファンタジックなヒューマン・メロドラマです。
内気で友達もいない孤独な女子高生・相原リョウ(成海璃子)は、ある日公園でおもちゃの携帯電話を拾う。本物の携帯電話を持っていない彼女は、それを家に持ち帰る。
数日後、保健室で休んでいる彼女の耳に、なぜか携帯の着信音が聞こえ、若い男性の声が聞こえてくる。
誰とも繋がるはずのないおもちゃの携帯電話の先にいたのは、野崎シンヤ(小出恵介)という名の青年。
不思議な出来事だが、さも普通のことのように会話するシンヤにつられて、リョウもシンヤとの携帯電話での会話を楽しむ。
横浜で暮らすリョウと長野に住むシンヤは、初めはおもちゃの携帯電話で、その後は電話機がなくても、想像上の電話を使って会話が出来るようになっていき、二人の心が通じ合うようになっていく。
孤独で寂しい日々をおくっていたリョウは、明るいシンヤとの会話を重ねることで気持ちが前向きに変化していき、ついにある日、会うことを約束するのだが・・・。
不思議な携帯電話から始まった若い二人の交流を描いた、ピュアな恋愛映画です。
リョウの誰にも語れない孤独と、心根の優しいシンヤの姿が画面から伝わってきて、そんな二人の気持ちが通じ合うようになり、二人が待ち合わせの場所に向かう直前に、この現象の謎が少しだけ明かされていく。
少し切ないラブストーリーですが、小出恵介が純粋な青年を演じていて心地良いですね。
心に残る作品でした。
製 作 | 2007年 日本 |
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監 督 | 荻島達也 |
出演者 | 成海璃子 小出恵介 片瀬那奈 |
音 楽 | 宮川泰 |