銀座の恋の物語

銀座の恋の物語

石原裕次郎と浅丘ルリ子が主演した、銀座を舞台にした青春メロドラマのような作品です。

DVDを借りて観たのですけど、スター共演の華やかだけど中身の薄い作品をイメージしていた管理人は良い意味で裏切られました。

売れない画家の伴次郎(石原裕次郎)と銀座の洋装店でミシンを踏んで働いている久子(浅丘ルリ子)は、いつか一緒になろうと誓った仲。

貧しいけれど楽しい日々を暮らしている。

なかなか結婚に踏ん切りがつかなかった二人だが、ついに結婚を決めて、新宿から夜行列車に乗って次郎の母親に会いに行くことにする。

ところが久子が待ち合わせに向かう途中で交通事故に遭ってしまい・・・。



1962年頃は、中心部でないにしても銀座のアパートに庶民が住めたんでしょうか。貧乏だと言う割には、伴次郎はけっこうオシャレな生活をしています。

この頃の日本映画を観るといつも思うけど、何だか町にも人にも活気があるんですよね。

その上この作品には、どこかフランス映画のような洒落た雰囲気が感じられます。

作品はマービン・ルロイ監督の「心の旅路」とレオ・マッケリー監督ケイリー・グラント主演の「めぐり逢い」を足したような内容ですけど、人々の間に人情がまだまだ沢山有った頃の下町・銀座が舞台で、町の風景も懐かしくて、風俗は古くても雰囲気には古臭さを感じさせない作品に仕上がっています。

古典的なメロドラマですが、実に心地良い味わいを感じます。

映画の前半ではあまり特徴がなかった浅丘ルリ子が、後半になると生き生きとして美人に見えてくるのが不思議ですね。

また次郎の友人で音楽家志望の宮本(ジェリー藤尾)が、認められない自分に絶望して荒んでいく姿も良く描かれています。

日本映画にもこんなに洒落た雰囲気の映画があったのかと、管理人が再認識した作品です。


製 作 1962年 日本
監 督 蔵原惟繕
出演者 石原裕次郎
浅丘ルリ子
ジェリー藤尾
音 楽 鏑木創


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