大盗賊
泉州堺の豪商、呂宋助左衛門(三船敏郎)は海賊の嫌疑で捕えられ、樽詰めにさせられた上に火刑に処せられるが脱出し、島国日本には住み飽きたから海賊になるのも面白いと大海原に乗り出す。
しかし大嵐にあって船が遭難し、賊宝を黒海賊に奪われ、何とか漂着した異国の島国は、悪宰相(中丸忠雄)が女官増尾(草笛光子)や妖術を操る沃婆(天本英世)、助左衛門から財宝を奪った黒海賊(佐藤允)を使い、領主の羅刹王(志村喬)を廃して国を支配しようと企んでいた。
財宝を黒海賊から取り戻そうとした助左衛門は、知り合った羅刹王の娘・弥々姫(浜美枝)の願いを聞き入れて、不思議な仙術を使う久米地仙(有島一郎)、山賊の美輪(水野久美)などと協力して、宰相の野望を阻止するために戦うことになる。
呂宋とかの昔の東南アジア風の情景の国を舞台にした、かつての日本映画らしい夢があって、仙術や魔術が跋扈する、不思議な異国情緒にあふれた、楽しい冒険ファンタジーの佳作です。
こういう雰囲気の映画は、1970年代以降の日本映画は作れなくなったような気がします。
東宝映画が得意にする特撮を駆使して、妖術使いの沃婆と仙術使いの久米地仙が対決し、美しい姫君を異国に流れ着いた剣士が救い、剣士の助左衛門と敵役の黒海賊の剣技が闘うという冒険映画の王道のような作品を、大スターの三船敏郎主演で撮ったというのが、なかなかすごいですよね。
管理人がこの映画を観たのは小学生の頃。近くの図書館で子供向けに月に一度くらい映画会が開かれていましたが、そこで観たのだと思います。
面白かったですねぇ・・・。こういうシンプルで楽しい冒険心にあふれた映画を、また日本映画で観たいものです。
製 作 | 1963年 日本 |
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監 督 | 谷口千吉 |
出演者 | 三船敏郎 有島一郎 浜美枝 佐藤允 |
音 楽 | 佐藤勝 |