まごころを君に:CHARLY
ダニエル・キイス原作のSF小説「アルジャーノンに花束を」を映画化した作品で、監督が「野のユリ」のラルフ・ネルソン、知的障害者の主人公チャーリーをクリフ・ロバートソン、彼が通う学校の教師アリスをクレア・ブルームが演じています。
この作品でクリフ・ロバートソンはアカデミー主演男優賞を受賞しましたが、2011.9.10に亡くなりました。残念です。
知的障害を持つ青年チャーリーは、清掃の仕事をして生活の糧を得て、障害者用の学校に通っている。
そこで知り合った女教師アリスの勧めもあって、知能を向上させる画期的な脳手術を受けることになる。
手術は成功し、チャーリーは人並み外れた知能を得てアリスと恋人同士になるが、彼と同じ手術を受けた実験用のネズミ「アルジャーノン」が手術の影響で死んだことを知って・・・。
原作者のダニエル・キイスはこの作品がお気に入りのようで、元々は短編だった作品を長編に直して発表しています。
私が中学生の頃に読んだSF小説は短編の方です。映画は高校生になってから、テアトル新宿で、何かと二本立てで観たように思います。
小説では知的障害を持ってはいるものの純粋で心優しい青年が、手術によって得た知能によって、今まで気がつかなかった世の中の暗い部分を理解する事により苦悩する、というような内容が描かれていたかと記憶していますが、映画はどちらかと言えば知能が高まったチャーリーと彼を愛してしまったアリスの愛の物語という印象です。
小説とは少々雰囲気が異なりますけど、静かに進行する物語は心打つものがあります。
知的障害者を演じたクリフ・ロバートソンが良いですね。
そして彼を愛するが故に苦悩するアリス役のクレア・ブルームの知性的な美貌も印象に残っています。
しかし「まごころを君に」という邦題はどうなんでしょうね。
原題はCHARLYですけど、素直に「アルジャーノンに花束を」とした方が良かったのではないかと思います。
それもあって、発売されたDVDは「アルジャーノンに花束を」になっているようですが、しかし公開時と違う邦題をつけるのも、これまた混乱するような・・・。
製 作 | 1968年 アメリカ |
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監 督 | ラルフ・ネルソン |
出演者 | クリフ・ロバートソン クレア・ブルーム |
音 楽 | ラヴィ・シャンカル |